借りてきた猫のように

――フィクションの中で生きる~映画・小説・音楽・マンガなどの日常――

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2015年5月14日



社会人向けの映画文化論講座がいよいよ5月よりスタート。今学期は「『女性』映画の現在」をテーマとして、5つの言語圏文化から現代を代表する女性監督作品を軸に女性の表現者を取り巻く状況について展望していこうというものです。サウジアラビアで初めての女性監督ハイファ・アル=マンスール(1974- )『少女は自転車に乗って』(2012)、フランスのミア・ハンセン=ラヴ(1981- )『あの夏の子供たち』(2009)、あるいは、ドキュメンタリー映画制作を通して政治や女性をめぐる問題について表現活動を展開してきた韓国の女性監督ビョン・ヨンジュ(1966- )による青春物語『僕らのバレエ教室』(2012)、映画監督・演出家としてのみならず、小説・脚本においても高い評価を得ている西川美和(1974- )の作品などを予定しています。
 もともとは専門であるアメリカ映画文化論を軸に講座を展開してきたのですが、現在は次の段階として、テーマ毎に国籍や時代を横断して映画を楽しむことを目指しています。おかげさまで私が一番勉強になってます。解説の途中でも鋭い質問が怖いぐらい出てきます。
 初回でとりあげた、サウジアラビアの『少女は自転車に乗って』(2012)は10歳の女の子の話。「女の子は自転車なんか乗っちゃダメ」と親に拒まれながらも、自分の自転車を持つために自分でお金をやりくりしたり、賞金目当てにコンテストに応募したりと頑張る主人公の女の子の奮闘ぶりが可愛らしく描かれています。さらに映画評論家の町山智浩氏も指摘するように、背後には未だ男尊女卑の価値観が色濃く残るサウジアラビアにおける女性の生活環境の現実が透けて見えるところにぞっとするほどの深みがあります。
 ところで受講生の方に、「40代の女性がいきいきと活躍している映画ってないですかね?」と尋ねられたのですが、たしかに今回とりあげる女性監督による作品も主役は子どもたちばかり。この文脈で「破滅の美学」としての『テルマ&ルイーズ』(1991)を薦めても仕方ないし、ぱっと思いついたのは、荻上直子監督の『かもめ食堂』(2006)、『めがね』(2007)あたりはどうですかね?「いきいきと活躍」とはぜんぜん違うのですが、こんな物語も成立しうるということで。『対岸の彼女』(2006)は35歳設定か。確かにあんまり思い浮かばない。仕事や恋愛、結婚、育児の側面「だけではない」40代のあり方もおもしろいものになりうると思うのですが、まあ同世代は皆、「超絶」忙しいみたいだし、現実にはそんな余裕もないのか。
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